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スーパーの袋を下げて仰ぎ見る小公園の桜ひらひら
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外は雨暖かき部屋雛飾り
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如月にメジロ来たりて蜜柑食む柔き日差しに緑映えたる
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梅ふふむ赤子の手に似てやんわりと
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しんしんと冷えたる師走の週末に忘年会の想い暖か
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気まぐれの天気に着るもの追いつかずマフラー手袋行きつ戻りつ
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年の暮れ何とかここまで生きて来た来年の暮れ何を思うか
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山影に紅葉映えたる名刹に少し冷たき風の吹く夕
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霜月になりて薄着のカレンダー
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十三夜月が覗き見詫び住まい
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蛇口には一足先に秋の水生温きから僅か冷たく
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秋気配居座る残暑に困り顔
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天国は床屋にありて夢うつつ
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日陰では残暑の中に秋の風
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蒸し暑き残暑残りて暮れる庭秋の入口虫すだく夜
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夏祭り懐かしき顔縁日に老けた互いに苦笑いする
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立秋を過ぎて変わらぬこの暑さ暦忘れて秋待ち焦がれ
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暑き夏猛暑酷暑に炎暑の日言葉変われど暑さ変わらず
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隣家にも知らぬ子の居る夏休み
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大暑にて暑さ境目秋のとば
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リフォームの工事の音の狭間から負けじと聞こえる風鈴の音
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古団扇去年の暑さも積み重ね
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夏至を過ぎ田植えを急かす半夏生梅雨の明けるを今かと待ちぬ
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背を低く雨に備える花菖蒲周りの仲間と肩寄り添いて
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蒸し暑さ昨日の倍ほど梅雨晴間
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傘持たず雨と汗とで梅雨に入る
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一突きで涼しさ刺さる心太
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網戸越し少し嫋やか日の光
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夏浅しされど背中に汗流れ
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陽を浴びる影が一息青嵐
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お日様と牡丹が競う暑き日々
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吹く風に緑の匂い夏近し
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名も知らぬ小さき花見て春惜しむ
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腰庇い見上げた空に辛夷咲く
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駐車場車に化粧の花吹雪
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川面には吹雪舞い散り花筏
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満開の花の隙間に風光る
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やせ我慢雨の花見も粋なもの
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蛇口替え新たな気分に水温む
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咲く花に脱ぎ着を訊ねし春の宵
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暖かさ日々に刻んで春隣
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まだ咲かぬ花が予感の余寒かな
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こすずめと 椿の花に 寒戻り
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下駄箱の梅を照らして日脚伸ぶ
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恐々と薄目で手合わす初閻魔
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藁ぼっちに守られ正座の冬牡丹
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一年を始める事のめでたさよ何はともあれ先ず生きている
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山の鐘海の霧笛の大晦日
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去年とはまた少し早い年の暮れ
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凍えたるツリーに電飾暖かき
